石岡瑛子のI DESIGN私デザインを読んで

彩田

あいだの本棚へようこそ!

石岡瑛子のI DESIGNは2005年に講談社から出版された本で今では手に入りにくい本の1つだろう。10年くらい前に私はamazonの中古で購入した。

I DESIGN私デザインは石岡瑛子さん自伝の本。貴重な資料の1つとも取れます。

石岡瑛子のI DESIGNを読んでの感想

私は石岡瑛子さんがデザインして創り出す世界観がたまらなく好きで出版している本はamazonだったりヤフオクだったり中古で購入して収集している。

作品集となると万単位の値段が付いているのでとても貴重なのです。

石岡瑛子 I DESIGN 本

その中でも「I DESIGN(私デザイン)」は石岡瑛子さんが著者なので携わったいくつかの作品をピックアップしてその時の心情であったり仕事の向き合い方が細かく書かれている。

特に日本を出てグラフィックデザイナーから映画や舞台に関わるキッカケとなる映画「MISHIMA」。この作品に携わることとなるプロセスも書かれてありとても興味深い。この作品では美術監督となり映画における全てのデザインを任されることとなる。

ただ残念なことに「MISHIMA」は日本での公開は叶わなかったようで日本のマスメディアの扱いも目に余るものだったそう。作品自体は海外で高評価となるも日本では蓋をした状態だったため石岡さんの活躍もその時点では(日本では)「無」の状態。本来ならここで世界の石岡瑛子となってもおかしくなかったのだが、こういった部分は日本の残念なところだなと感じる。

石岡さんもそんな日本の態度に思うことがあったようでそこから海外でやっていこうという決意も固まったようです。

映画「MISHIMA」今はDVDで見ることが可能。

私的に興味があるのが石岡さんのデザインする衣装です。生の舞台は難しくても映画やDVDで目にできるものはなるべく見るようにしている。I DESIGNには「ドラキュラ」や「ザ・セル」の内容も収録されている。

1番興味があるのがシルク・ド・ソレイユの「Varekai(バレカイ) 」の衣装だ。何度も何度もDVDでみたけど。とてもスマートである。

シルク・ド・ソレイユといえば世界的なサーカス団であり、演技の1つ1つが命がけ。その衣装となると壮絶を超えるほど難しいものと感じてしまう。なぜなら衣装で命を落とすこともあるからだ。

私もよく動く人(ダンサーさんとか)の衣装をやっているけど非常に難しく何度も何度も調節が必要になってくる。トライ&エラーの積み重ねで「これで完璧!終了!」ということが無い。

本にはシルク・ド・ソレイユのなかでどのように舞台を制作していくか、ゼロから衣装デザインが決まるまでの過程がこと細かく書かれている。交渉したりプレゼンテーションしたり関わっている人の多さも然り、骨を折る作業が本番まで続きキャスティングも常に変わるので柔軟に関わっていかなければ務まらない。

個人的には衣装にはどんな生地が使われて、形だしのことも知りたかったのだがそこはサラリと書かれてあるだけでした。が、世界のサーカス団の裏も少し垣間見れる瞬間があってとても貴重な内容です。

世界で活躍する日本人の中でも向こうの人と対等に仕事ができる人もまだまだ少ない中、石岡瑛子さんは先駆者のような方だと思っていて日本で仕事するよりもより厳しい環境だったと感じます。慣れた環境下よりも未知数な環境を選び向上していった。きっとポジティブな方が打ち勝っている方なのだと思う。

石岡瑛子展2020にも注目

石岡瑛子は元は資生堂のアートディレクターで斬新な広告を打ち出す敏腕の持ち主。以降は世界的に活躍する映画や舞台のデザイナーであるのだが、残念なことに日本ではあんまりフォーカスされていないように感じていた。

しかし2020年7月 11月からは東京都現代美術館で「石岡瑛子展 血が、汗が、涙がデザインできるか」が開催される。この展示会はオリンピックイヤーに持ってきている展示会なのでやっぱり世界の石岡瑛子といえる。

結構大きな規模で開催されるようなので今からとても楽しみにしている。世界で活躍している方のアートディレクションの数々が生でみれるのは貴重だし、生だからこそ伝わるものもたくさんある。

できれば何度も足を運びたいと思っているので時期をズラしてでも実施してほしいと思う。

まとめ

個人的に興味のある章をピックアップして記載しました。

石岡瑛子さんに興味がある方、映画や舞台で海外に出たいと考えている方は「I DESIGN」はおすすめしたい1冊です。もしかすると2020年の展示会で本や作品集が購入できるかもしれない。憶測ですが。

作品集は別で記載してます。

石岡瑛子世界のグラフィックデザイン68 ggg booksについて EIKO ISHIOKA 石岡瑛子の作品集を購入して思うこと

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